【初心者向け】ホームページ制作の費用を解説！料金表と制作費の内訳もご紹介

はじめに

ホームページやWebサイトの制作を依頼する際に「どれくらいの費用がかかるのか…」と悩まれる方も多いのではないでしょうか。

サイト制作にはデザインやシステム開発、SEO対策、運用管理など多くの工程があり、作業量やサイトの規模によって費用は大きく変わります。

「どのように費用が決められているのか？」「今もらっている見積もりは妥当なのか？」といった疑問に答えられるよう、一般的な相場と費用の内訳を整理してご紹介します。

まず押さえておきたい4つのポイント

ホームページ制作の費用は、目的や規模、依頼先などによって大きく変わります。この記事では、初心者の方でも費用感をつかめるよう、相場から内訳・運用コスト・費用を抑えるコツまでをわかりやすく整理しています。まずは概要をチェックしてみましょう。

• 相場の目安：小規模サイトは約30万〜、中〜大規模は数百万～1千万円以上以上になることも。
• 費用の内訳：「企画・デザイン・コーディング・システム・進行管理」等で構成される。
• 運用コスト：公開後もサーバー・ドメイン・保守・SEOなどの費用が発生する。
• 費用を抑えるコツ：ページや機能を絞る・CMSを活用する。

一般的な相場はどれくらい？

ホームページの制作費用は、サイトの目的や規模によって大きく異なります。目的や規模ごとの費用相場は以下のようになります。

目的別：ホームページ制作費用の相場

目的	費用相場
企業サイト	80～500万円以上
採用サイト	80～300万円以上
ECサイト	150～1,000万円以上
オウンドメディア	150～500万円以上
LP（ランディングページ）	30～100万円

企業サイトは数ページから数百ページ以上など、それぞれの企業ごとに違うため費用にも幅があります。また、ECサイトも商品点数や必要となる機能によって1,000万円以上になることもあります。

サイト規模別：ホームページ制作費用の相場

サイト規模	費用相場
小規模サイト	30〜150万円
中規模サイト	150〜500万円
大規模サイト	500〜1,000万円以上

30万円前後は、ページ数の少ない小規模なサイトや、シンプルな構成のサイトに限られます。

一般的な企業サイトである程度のページ数がある場合は、150万円〜の中規模サイトと考えておくとよいでしょう。サイトの規模が大きくなるほど、ページ数や作業量に比例して費用は上がっていきます。

ご紹介した費用相場をふまえ、どのようにホームページ制作の費用が決められるのかを解説します。

ホームページ制作費用の内訳

まずは一般的なWeb制作会社における制作費の内訳を見てみましょう。これらの項目ごとに、どの程度の作業が発生するか？を算出したうえで費用に反映します。

項目	内容	費用の目安
企画・設計	要件定義・サイト構造設計・画面設計	全体の10～20%程度
デザイン	ビジュアルデザイン・イラスト制作等	ページ数・構成内容によって変動
コーディング	HTML/CSS/JavaScript実装	ページ数・難易度によって変動
システム実装	CMS構築・フォーム・EC機能等	CMS・EC機能があると高くなる
進行管理	スケジュール管理やクオリティチェック等	全体の10～30%程度

※企画・設計は進行管理に含める場合があります

企画・設計

依頼企業へのヒアリング内容をもとに、サイト全体の構成を具体化します。必要なページを洗い出したディレクトリマップの作成、各ページに表示する情報を「ワイヤーフレーム」として設計したりします。

この費用については一部をデザイン費に含めたり、進行管理費と合算する場合もあります。

デザイン

画面設計をもとにサイトのビジュアルデザインを作成します。単なるレイアウト設計にとどまらず、企業のブランドイメージや目的に合わせて、ユーザーにとって「見やすく・伝わりやすい」デザインを設計します。

デザインに使用する素材（写真やイラスト等）は販売されているストック素材を利用することも多いですが、オリジナルのイラスト制作などを依頼する場合は、追加で料金が発生します。

コーディング

作成されたデザインをもとに、実際にウェブ上で表示・操作できるようにHTML・CSS・JavaScriptなどを用いて、「コーディング」という作業で形にします。

レスポンシブ対応（スマホ・タブレット対応）は現在では一般的なので、オプションではなく基本料金として算出されます。

アニメーションやインタラクション要素を多く取り入れる場合は、費用が上がる要因になります。

システム実装

システム実装は、コンテンツ管理システム（CMS）の導入や、お問い合わせフォームなどのプログラム開発の費用になります。

ECサイトや会員サイトなどを構築する場合は、このシステム実装の費用が高くなりがちです。複雑なシステムになるほど、費用面だけでなくスケジュール面でも余裕を見る必要があり、事前にどの機能が必要かを洗い出しておくと良いでしょう。

進行管理（ディレクション）

進行管理は、サイト制作全体の進行・管理を担当するディレクターの作業費になります。企業によっては「ディレクション費」という名目の場合もありますが、同じものと考えてよいでしょう。

一般的には制作費全体の10%～30%とするところが多いですが、プロジェクト規模やスケジュールなどによっても変動します。

また、企画・設計の費用をここに含める場合もあるので、気になれば制作会社に確認してみましょう。

進行管理は、直接的な制作業務ではありませんが、以下のようにプロジェクト全体の進行に欠かせない役割なので重要になります。

• 企業担当者との打ち合わせ
• プロジェクトの目的・要件の整理と共有
• サイト全体の構成、各ページの構成内容の考案
• チームメンバーのタスク調整
• 制作スケジュールの管理・調整
• 公開・納品までの全体統括

これらの内訳を理解することで、ホームページの目的に応じた、より効果的な予算計画を立てることができるでしょう。

何が費用を左右するのか？

ここまで、Webサイト制作における工程と、機能や規模によって費用が変わることをご紹介しました。では具体的にどのような項目によって費用が変わってくるのでしょうか？

理由としては大きく次の4つの要素があります。ここを事前に整理しておくと、予算にあわせたサイト制作の依頼がスムーズになります。

• 必要な機能
• オプション対応
• ページ数
• 依頼先による違い

これらは、プロジェクトの要件によって変わります。「必要な機能」はサイトの目的にあわせて選定が必要ですし、「オプション対応」もサイト運営の戦略によって追加を検討しても良いでしょう。それぞれの項目について詳しく解説します。

必要な機能

Webサイトはさまざまな機能によって成り立っており、必要とする機能の数と、機能開発の難易度によってその金額が変わってきます。

• お問い合わせフォーム
• CMS（コンテンツ管理システム）
• ECサイト
• 会員サイト
• インタラクティブコンテンツ
  • 診断ツールやシミュレーターなどの動的なコンテンツ
  • 動きのあるリッチな表現

CMSやECサイト・会員サイトは高度なカスタマイズなども含めると、システム実装費用が大きく上がる要因になります。

インタラクティブコンテンツは、ユーザーの操作によってサイトの内容に変化が出るようなコンテンツです。高度な技術が求められるため、こちらもコーディング費用が上がる要因になります。

ページ数

Webサイト制作では、ページ数が増えるほど費用も上がります。ただし、テンプレートを活用した量産体制を整えることで、1ページあたりの単価を抑えることも可能です。

ページ制作には「デザイン費」と「コーディング費」がそれぞれ発生するため、単価はページのタイプや制作方法によって大きく変動します。

• デザイン性の高いページ：単価2万～8万円（デザイン+コーディング）
  • ページの内容量やPC・スマホ別の調整量によっても変動
• テンプレート量産ページ：単価5千～1万円（コーディングのみ）
  • 同一テンプレートに画像・テキストを流し込みながら、動作確認や調整も含む

制作費を検討する際は、ページ数だけでなく「このページは個別デザインが必要か」「テンプレート化できる部分はどこか」といった視点が重要です。目的や予算に応じてページ構成を設計することで、ムダのない効率的な制作が可能になります。

オプション対応

Webサイト制作は主に、デザイン・コーディング・システム実装に分類されますが、依頼する内容によってはオプションで別途見積もりが必要になる場合があります。

• 写真撮影
• 動画コンテンツ作成
  • 実写・CG・アニメーション含む
• イラストやロゴの作成
• CMSのカスタマイズ
• コンテンツ制作支援
  • ライティングやコピー考案
• 多言語対応
• アクセシビリティ対応

動画コンテンツは、必要とする成果物のクオリティによっては、それ単体で高額な費用が発生します。

イラスト制作やロゴ制作も、プロジェクトによっては専門のロゴデザイナーやイラストレーターに発注することもあります。その場合は費用が高くなるでしょう。

その他にも、追加するオプションの量や質によって費用は大きく変動します。

依頼先による違い

ホームページ制作の費用は、個人や小規模の会社ほど低く、会社規模が大きくなるほど高くなる傾向があります。それぞれの依頼先ごとに、メリットとデメリットをご紹介します。

個人・フリーランス

• メリット：費用が比較的安く、柔軟に対応してもらえる場合が多い
• デメリット：対応できる範囲が個人のスキルに依存し、納期や品質にばらつきが出る場合がある

中小規模の制作会社

• メリット：チームによる制作体制が整っており、一定の品質と安定した進行が期待できる
• デメリット：個人よりは費用が高く、会社ごとに得意分野や対応範囲に差がある

大規模の制作会社

• メリット：実績やノウハウが豊富で、大規模プロジェクトや高度な要件にも対応可能
• デメリット：費用が高く、小規模案件ではコストに見合わない場合もある

実際にはフリーランスでも高品質・高単価なケースがありますし、企業規模が大きいからといって必ずしも最適とは限りません。あくまで傾向を理解したうえで、自社の目的と体制に合った依頼先を選ぶことが重要です。

制作費だけではない？運用コストも考えよう

ホームページを作成・公開した後にも、運用や管理にかかる費用が発生します。固定費としてのサーバーやドメイン費用、広告費用、運用保守費用などがあります。

• サーバー費用
• ドメイン費用
• SSL費用
• SEO対策費用
• 広告費用
• 運用保守

これらを理解することで予算の最適化を図り、継続的な集客も行うことができます。それぞれ詳しく解説します。

サーバー費用

Webページをインターネット上に公開するには、レンタルサーバーを契約する必要があります。

項目	費用相場（月額）
共用サーバー	1,000～5,000円
専用サーバー	10,000～30,000円
クラウドサーバー	5,000～20,000円

共用サーバーは複数のユーザーでシェアして使用するサーバーなので、費用は安くなります。アクセス数のそれほど多くない企業サイトは、まずは共用サーバーから始めて、アクセス数が増加したら専用サーバーやクラウドサーバーへの移行を検討すると良いでしょう。

ドメイン費用

ドメイン費用は種類にもよりますが、以下が相場となっています。「.co.jp」の場合は他と比べて高めになります。

ドメインの種類	取得費	更新費（1年）
.com / .net / .jp	1,000～4,000円	1,000～4,000円
.co.jp	5,000～12,000円	5,000～12,000円

ドメインの料金は、提供事業者（レジストラー）やキャンペーンなどによって大きく変動します。上記の金額は一般的な目安ですので、取得時には用途や予算に合ったドメインを選ぶのがオススメです。

ドメインは利用期限があり、定期的な更新が必要です。更新費用を利用期限日までに支払わないと、失効してしまい、利用できなくなるので注意しましょう。

SSL費用

SSLはホームページのセキュリティを強化する仕組みです。非対応のサイトはhttp://と表示され、SSL化されたサイトはhttps://と表示されます。

現在は多くの主要ブラウザ（Chrome、Firefoxなど）でSSLに対応していないWebサイトに対して警告が出るようになっており、Webサイトの信頼性とセキュリティを確保するために、導入することを推奨します。

• 無料SSL：多くのレンタルサーバーで提供されていて費用はかからない
• ドメイン認証（DV）：ドメインの所有権の確認が必要で、年間数千円～3万円程度
• 企業認証（OV）：会社の存在確認が必要で、年間5万円～8万円程度

SSL証明書の料金は、種類や提供元によって大きく変動します。上記は目安のため、導入時には必要なセキュリティレベルに応じて選択してください。

簡単に導入できる無料SSLでも良いので導入を検討し、より信頼性を重視するなら有料のものを選ぶと良いでしょう。

SEO対策費用

ホームページを検索エンジンで上位に表示させるには、SEO対策も必要です。月額のコンサル契約もありますが、スポット的にキーワード選定や記事制作を外注するなどの選択肢もあります。

項目	内容	費用相場
SEOコンサルティング	SEO戦略の総合的な支援	月額20～100万円
内部SEO対策	サイト内部のSEO最適化のテクニカルな改善	10～50万円
キーワード選定	上位表示させるキーワードを選定する	10～50万円
記事コンテンツ制作	選定キーワードをもとに記事を制作	1記事5～10万円

内部SEO対策については、Webサイトの制作時に基本料金内で対応することが多いです。ただし、それが十分かどうかも含め、定期的に見直しを図ると良いでしょう。

広告費用

SEO対策と並行して広告の運用も検討してみましょう。

広告費用は企業規模や戦略によって予算も大きく変わりますが、目的に応じて「認知拡大」「お問い合わせの獲得」「採用強化」など、狙う成果に合わせて媒体を選ぶことがポイントです。

以下は、主な広告の少額スタート時の金額をまとめたものです。

種類	費用相場（月額）
リスティング広告	15万円～
ディスプレイ広告	20万円～
リターゲティング広告	20万円～
SNS広告	3万円〜

検索結果で上位表示されるまでには時間がかかるため、広告を活用して早期に集客を行うのも有効です。

運用保守費用

運用保守費用は、ホームページの運用を行う上で継続的に発生する維持管理費です。公開したサイトを安定して運用するには、定期的なメンテナンスが欠かせません。セキュリティ対策やバックアップ対応などを怠ると企業が大きなダメージを被る可能性もあるので、非常に重要です。

• ドメインやサーバーの保守
• システムの更新やバックアップ
• セキュリティ対策
• その他トラブル対応など

費用の相場は月額で5千円～5万円程度となります。サイトの規模や「どこまで保守範囲とするか」などによって費用が左右されます。

このケースならいくら？簡易シミュレーション

ここまで色々と説明をしてきましたが、実際の制作にあたってはさまざまな要因が絡んで、全体像を把握するのは難しいですよね。

よくある業種・規模としてケーススタディを用意してみました。「似たような規模ならこれくらい」という目安として参考にしてもらえればと思います。

ケース：中規模な製造業のサイト

上記の内容をもとにした費用

項目	内容	金額
企画・設計	要件定義・サイト構造設計・画面設計	20～30万円
デザイン	デザイン・イラスト・作図	60～80万円
コーディング	HTML/CSS/JavaScript実装	60～80万円
システム実装	CMS導入・フォーム実装	40～60万円
進行管理	スケジュール管理やクオリティチェック等	30～50万円

合計：210～300万円

費用を抑えるには？

ホームページの制作には一定のコストがかかりますが、企業の担当者としては「なるべく費用を抑えたい」と考えるのが当然かと思います。工夫次第で費用を抑えることも可能なので、以下の3つのポイントを参考にしてみてください。

1. ページ数や機能を絞って最小からスタートする

Webサイトは公開して終わりでなく、企業の成長とともに育てていく存在です。まずは優先順位を明確にして、必要なページを精査しましょう。企業の基本情報やお問い合わせなど、必要なものだけを公開して、徐々に拡張していく考え方です。

2. CMSを導入して運用コストを抑える

自社での運用体制が整っていないと、お知らせの更新など簡易な作業であっても、制作会社などに外注する必要が出てきます。保守契約を結んで月額契約内でお任せするのもひとつの選択肢ですが、月々の費用負担が重くなってくる可能性もあります。

CMSを導入することで、専門知識がなくてもサイトの更新が行えるようになります。お知らせの更新だけでなく、幅広いコンテンツの更新が可能になるので、長期で見た運用コストを抑えることが可能です。

3. 自分でやってみる

「専門知識がないため無理！」と思ったかもしれません。しかし最近ではWebサイトを簡単に作れるノーコードツールもあるので、検討してみても良いでしょう。

ペライチやWixなどは月額費用はかかりますが、低額のプラン（1,300～1,500円程度）もありますので安心です。

1つめのポイントで紹介した「最小からスタートする」は、こういったノーコードツールの活用でも問題ありません。もちろん導入してみて「やっぱり難しい」「もっと自社のブランディングを強化したい」となったら、制作会社に依頼するのも良いでしょう。

まとめ

ホームページ制作は「どれくらいかかるのか」だけでなく、「何にお金をかけるべきか」を考えることが大切です。

初期費用を抑えたいなら、まずは必要なページから小さく始めて、CMSなども上手に活用しましょう。

そして、完成後の運用・更新が続けやすい仕組みを整えておくことが、長く成果を出すポイントです。

この記事の内容を参考に、自社に合った予算計画を立ててみてください。